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ピアノの選び方

♪ピアノの価格帯について

 国産の新品のアップライトピアノではだいたい40万~100万円くらいのものが主流になっています。ヨーロッパ製のピアノでは100万円を超えるものもたくさんありますし、中国製や東南アジア製のピアノで新品で30万円をきるようなものもあります。  ピアノの値段は、音のよさ、材質、デザインなどで変わってきます。良い楽器は上質な木を使っているので音がよく響き、故障も少なく長持ちします。逆にあまりに安いピアノになると、使っている材料がちゃんとした木ではなくて集成材(おがくずやボール紙みたいなものを接着剤で硬く固めてあるもの)だったり、木製の部品の代わりにプラスチックが使われていたりします。当然音も悪くなり長持ちもしなくなります。  高いものを見るとキリがありませんが、新品のピアノでは50万円くらいからのものが安心して使える目安になると思います。

中古ピアノについて

 上記のとおり、新品のピアノで良いもの、というと50万円くらいから、と高価な買い物になってきます。新品だとちょっと高すぎるけど、安いからといって品質の悪いものもいやだ・・・と、そう思っている方には中古ピアノがおすすめです。  中古ピアノの相場は新品時の価格の半額くらいになっています。ですから、新品は40万円くらいからありますから、中古だと20万円くらいから選べる、ということになります。  例えば、予算が40万円だとします。新品で選ぼうとすると一番安い価格帯のものしか買えませんが、中古だと元の値段が80~90万円というかなりハイグレードなピアノを選ぶことができます。当然40万円の新品より40万円の中古の方が音も品質も格段に良いもの、ということになります。

 とはいえ、中古ピアノというと気になる点もいくつかあるかもしれません。よく聞く質問を二つあげてみます。

Q1 どのくらい前に作られたピアノで、中古でも長く使えるのか? 

A・中古ピアノのほとんどは10~30年くらいたっています。ですがピアノの寿命は長く、品質によっては50~60年やもっともつものもありますから、中古品として購入しても30年以上はゆうに使うことができます。また、ある程度年数が経ったピアノの方が、最近のピアノのように集成材やプラスチックを使っていないので材質がいい、という利点もあります。その結果、同じメーカーの同じランクの機種でも新しいものより20年くらい経ったピアノの方が音がいい、ということもあるので、予算の問題ではなくて意図的に中古でいいものを探される方も増えてきています。

Q2 中古品は前の使用者の癖がついていたり消耗してはいないのか?

A・確かにピアノには弾けば弾くほど消耗する部品があります。弦を叩くハンマーはたくさん使う音ほど早く減りますし、鍵盤やアクションの中の部品も消耗してくればタッチにばらつきが生じたりします。中古ピアノはそのような消耗した箇所の調整、または交換、タッチを均一化する作業など、きちんとした調整が絶対必要になってきます。そのような細かい調整がちゃんとしてあれば中古ピアノは新品同様に安心して使っていただくことができます。  知り合いから古いピアノを譲ってもらったとか、個人売買された、または調整が十分でない販売店で購入したりすると消耗やばらつきなどのトラブルがあります。後から調整することもできますが、安心してお使いいただくためにはきちんと調整されたピアノを選ばれるようにおすすめします。

電子ピアノについて

 最近こんな話をよく聞きます。 「子供にピアノを買ってあげたいけれどいつまで続くか分からないしいきなり本物のピアノだと高いから、最初にデジタルピアノを買って、続くならピアノに買い換えようかしら・・・」  同じようなことを考えたことのある方も多いと思います。確かに一見するとデジタルピアノ(電子ピアノ)はピアノの代用品になるようなイメージがあります。ですが実際にはピアノとデジタルピアノは全く別の楽器といえるほどの違いがあるのです。両方の楽器に長所も短所もありますから、それを知った上でご自分の用途にあった楽器を選ばれるといいと思います。

 ピアノとデジタルピアノの違いは大きく分けて3つあります。 それは 音・タッチ・耐久性の違いです。

1.音の違い

 楽器の種類ではピアノは鍵盤楽器、と分けられることが多いですが、実際にはハンマーが弦を打って音が出ています。(打弦楽器といわれることもあります。)その弦の音をピアノの背面に張ってある響鳴板で増幅して、その音が私たちの耳に入ってきます。よく生(なま)の音、と表現されるように、ピアノの音は楽器そのものが鳴っている自然な音です。それに対してデジタルピアノは、ピアノの音を録音したものを信号化して、それをスピーカーから流しています。いわゆる電子音なので、もちろん自然な音ではありませんから、長時間聞くと耳が疲れる、という方も多いでしょう。  またピアノは、指で鍵盤を押して、その押し方や強さで音色を自在にコントロールすることができます。美しく曲を演奏するためには、やさしい音、明るい音、悲しい音など、いろんな音をピアノは表現しなくてはなりません。しかし、デジタルピアノは前述のとおり録音された音が出でいるだけなので、基本的に音量の大、小しか変わりません。それもピアノが指の強さで無段階に音量を調節できるのに対し、デジタルピアノは音量さえもわずか数段階に変化するだけですから、音色をいろいろ変えて感情を表現するという点では限界があるでしょう。ひいてはお子さんの上達にも影響があるかもしれません。

2.タッチの違い

 タッチ、とはつまりピアノの弾き心地のことです。音と同様、このタッチの点でもピアノとデジタルピアノの大きな違いがあります。ピアノは鍵盤を押すとアクションに指の力が伝わり、ハンマーを突き上げハンマーが弦を叩きます。つまり鍵盤を抑えた瞬間にハンマーが弦を打って跳ね返ってアクションに受け止められる感触まで指に伝わってきて、それがピアノのタッチになるわけです。  それに対し基本的にデジタルピアノにはピアノのタッチに不可欠なアクションが入っていません。ですからピアノに特有の弦を打つ感触やアフタータッチなどが全くありません。鍵盤が下がる重さは本物のピアノと同じ50~55グラムという重さを出してはいますが、その重さはバネや重りで出しているだけの重さなのでピアノの感触とは決定的に違います。  結果としてデジタルピアノで練習していると、自宅でいくらうまく弾けてもピアノ教室で本物のピアノを前にするとその成果が出ない、ということになるわけです。どのメーカーのカタログにも「わが社のデジタルピアノのタッチこそグランドピアノと寸分違いません。」というようなことが書いてありますが、ピアノのレッスンをデジタルピアノでやってる先生などいないことからもタッチの重要さは理解できると思います。  最近はデジタルピアノでも木製の鍵盤やアクションを内臓したものもありますが、部分的に本物のピアノの部品を付けてみたところでやはりピアノのタッチと同じにはなりません。しかもそのような上級機種はデジタルピアノとはいえ30万円以上はしますから、本物のピアノが20万円から買えるとなるとデジタルピアノは少々割高な気がします。音を消してヘッドホンで聞けるという利点でデジタルピアノを考えるのなら、本物のピアノにサイレントユニットを付けたピアノも30万円を切った値段でありますしタッチもそのほうがずっと自然でおすすめです。

3.耐久性の違い

 ピアノは楽器の中では耐久年数は短い方ですが(きちんと手入れされていればですが)50年以上と長持ちします。それに対しデジタルピアノは楽器というより電化製品に分類されるので、テレビや冷蔵庫などと同じようにだいたい10年くらいが平均的な寿命になります。さらに他の電化製品と同じで、その機種が製造終了してから7~8年でその機種の部品の製造・ストックは中止されてしまいます。ですからその後の故障はメーカーでも直らない、ということにもなりかねません。
 しかもデジタルピアノとはいえ価格は平均的なもので15~25万くらいとわりあい高価になります。その点、本物のピアノの中古品で程度のいいお求め易いものでも20~25万円くらいから買えます。先に述べた音の違いやタッチの違いも含めて使用可能年数やクオリティ等、長く考えると結局本物のピアノの方が割安になるかもしれません。

電子ピアノの利点  これだけだとデジタルピアノがとても悪いもののように感じますが、デジタルピアノの利点もいくつかあります。まずはなんといっても調律がいらないことです。ピアノはどんどん音が下がるため一般的に一年に一度調律をすることが必要になります。ですがデジタルピアノは録音された音ですから経年変化で狂うことはありません。ですから壊れない限り、購入してから維持費のようなものはかかりません。
 移動が容易なこともメリットといえるでしょう。ピアノは運送業者に頼まないと動かせませんが、デジタルピアノは大人二人で簡単に移動することができます。引越しが多い方などはデジタルピアノの手軽さの方が魅力でしょう。また、電子楽器ならではの機能も忘れてはいけません。MIDI端子が付いているのでパソコンと繋いで作曲のソフトを使ったりすることができます。他には、デジタルピアノはオルガンやバイオリンなどいろいろな楽器の音にもなるのでシンセサイザーのように使う場合には重宝するでしょう。

メーカーについて

 世界中にはたくさんのピアノメーカーがあります。何といっても世界の三大ピアノといえるスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインなどがあげられますが、かなり高価ですから専門的にピアノを弾いている方でないとなかなか手が出ないと思います。一般的に購入の対象になる100万円くらいまでのピアノに絞って考えたいと思いますが、メーカーの良し悪しについてというより、いいピアノと悪いピアノの見分け方について書いてみます。
 基本的には自分の気に入った音のピアノを選べばいいのですが、音については人によって好みに個人差があるのでどれがいいと一概には言えません。ですが使う材料などはメーカーによってかなり差が出てきます。

 材料については近年あらゆるメーカーでコストダウンが図られ、その結果安くて劣った材料を使ったピアノがが増えています。昔は当たり前のようにピアノは木で作られている、というイメージがありました。(もちろんフレームは鉄でできています) でも今では(木材の高騰により仕方のないことだと思いますが)プラスチックや集成材などが多量に使われて昔より木の部分がずっと少なくなっています。それが全て悪いものとは思いませんがピアノの音や耐久性にマイナス影響与える箇所にも使われているのは残念なことです。<BR> プラスチックとはいっても譜面台や鍵盤押さえなど音にあまり影響がないところや、アクションの中でもジャックやダンパーレバーなど湿気の影響をあまり受けない箇所に使うのはまだ分かります。ですがハンマーの根本など大事な可動部分にまでプラスチックをつかっているメーカーもあります。そのせいで湿気の故障が起こりやすく、梅雨時や結露する時期には調子が悪くなりがちです。ですが重要なハンマーバットフレンジだけでも木製部品に交換するだけでかなり改善できるので、アクションの中のプラスチック部品に関してはまだいい方だと思います。<BR>

 最も心配なのは外装部品に使われることが多くなった集成材(おがくずやボール紙のようなものを硬く固めたもの)です。一見すると普通の外見をしたピアノでもパネルの表面に化粧板や樹脂のコーティングがされているだけでパネルの中身は本物の木ではありません。当然強度も耐久性もに問題があると思います。集成材は結局おがくずを接着剤で固めてあるだけなので、年数が経って接着剤が切れてくるときには内側からぼろぼろと崩れてくる恐れがあります。実際、ある国産ピアノで、気づかないうちにクーラーからたれた水が鍵盤フタの上に落ちてパネルの内部に染み込んでおがくずが水分を含んで膨張し、表面に貼ってあった木目が印刷してあった樹脂のフィルムが剥がれて(木目に見えていたものでさえ、化粧板ですらなく印刷されたビニールだったのです。)見るも哀れなことになってしまった例があります。<BR> 最近は国内外を問わずほとんどのメーカーで集成材を使っています。中国製などの安いピアノだけでなく、意外なことにヨーロッパ製の高級ピアノと言われるものにも実はたくさん用いられています。日本でのメーカーは人件費の安い近隣の国で作って国内に持ち込み日本製として販売することが多くなっていますが、ヨーロッパでも人件費の安い隣国で作って本国に持ち帰ってヨーロッパ製高級ピアノとして日本に輸入されることも増えてきて、結果としてヨーロッパのピアノの質の低下が目立ってきています。<BR> どこのメーカーのピアノとは言えませんが、新品で購入して2~3年でパネルの表面にヒビが入ってきたり化粧板が反って剥がれてくるものもありました。原因はパネルの中身が本物の木ではなく、圧縮されたボール紙のようなものに表面の薄い化粧板だけ貼り付けてその上から樹脂でコーティングしてあるからでしょう。そのような材質のものが20年30年経った時にはどうなるか考えると恐ろしいものです。<BR> また、外装パネルに集成材を多用したピアノは耐久性に難点がある上、当然ながら音も良くありません。ピアノは楽器全体が共鳴体なのですがボール紙の外装では音が響かないので、結果として薄くて底の浅い鳴らないピアノになってしまいます。(それを控えめで繊細な音と言う人もいますが。。。) 

 

 このように、特に新品を選ぶときにはひと昔前にはなかった粗悪な材料のピアノを避ける、という問題が生じてきます。購入の時には店員や調律師に相談したり、インターネットなどでそのピアノの情報を集めてみたりすることが失敗しないピアノ選びの秘訣です。<BR>ピアノは高い買い物ですし、めったに買い換えるものではありませんから焦らずじっくり選ばれると良いでしょう。<BR>
<BR> ピアノのことは調律師に聞くのが一番です。迷われている時や分からないことがありましたらぜひ気軽にお問い合わせください。

ピアノの重さについて

 ピアノは重くて、床を補強しないと置けないのではないか?と、ご心配されている方がよくいらっしゃいます。確かにピアノは小型のものでも200kg、大型のものなら230kg前後はあります。ですがお家の中にはピアノより重いものが意外にたくさんあるものです。ピアノははじめから重いのですごく重い気がしますが、中身のいっぱいになった本棚や食器棚などはもっと重い場合があるでしょう。また200kgというと大人4人分くらいの重量ですから、4人が一箇所にいると抜けてしまうような床でなければピアノを置いても全く問題ありません。

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